離れて暮らす親のことが、ふとした瞬間に気になる。「見守りカメラ、うちも付けたほうがいいのかな」。そう思って検索してみたら、製品がありすぎて逆に手が止まった。私もそうでした。
実家で一人暮らしをしている母のことが心配で、見守りカメラを本気で調べた時期があります。ところが、いざ選ぼうとすると「Wi-Fiは必要?」「月額はいくら?」「親は嫌がらない?」と、決められない理由ばかり出てくるんですよね。
先に、いちばんつまずきやすいところを言っておきます。分かれ道は「実家にWi-Fiがあるか」の一点です。ここで選ぶ製品がまるごと変わります。だからこの記事も、Wi-Fiのある・なしで分けて、私が調べた範囲の候補を並べました。あわせて、母に断られて実感した「親がカメラを嫌がる問題」の逃げ道も書いておきます。
製品より先に、実家の2つを確かめる
おすすめを並べる前に、これを先に見ておくと選ぶのが一気に楽になります。実家のWi-Fi環境と、親の気持ち。この2つです。
確かめること1:実家にWi-Fiがあるか
見守りカメラは、通信のしかたで大きく2タイプに分かれます。ここで選ぶ製品が変わるので、最初に押さえておきたいところです。
| タイプ | どういう仕組みか | お金のかかり方 |
|---|---|---|
| Wi-Fi接続タイプ | 実家のWi-Fiにつなぐ。本体を買うだけ | 本体2,500〜4,000円ほど。月額0円 |
| SIM内蔵タイプ | カメラ側が携帯回線でつながる。ネット工事いらず | レンタルで月4,950〜5,400円ほど、または本体買い切り+通信費 |
実家にWi-Fiがあるなら、本体を買うだけで月額ゼロのWi-Fi接続タイプ。ないなら、カメラ自体が携帯回線でつながるSIM内蔵タイプ、という分かれ方です。
ただ、「Wi-Fiがない=SIM内蔵」と単純に決める前に、一つ知っておきたいことがあります。知恵袋では、Wi-Fiなしのカメラを探していた人が「それは"固定回線がない"という意味では?」と回答者に問い直され、映像は通信量が大きいのでSIM式は割高になりやすい、と指摘されていました(Yahoo!知恵袋)。別の相談では、「SIM内蔵カメラより、モバイルWi-Fiルーターを1台置いて普通のカメラをつなぐほうが安く済む」という声もありました(Yahoo!知恵袋)。この抜け道も含めて、Wi-Fiのない実家の選び方は「Wi-Fi不要の見守りカメラの選び方」にまとめました。
確かめること2:親がカメラをどう思うか
もう一つ、製品スペックより大事かもしれないのが、親の気持ちです。
私が母に見守りカメラの話を切り出したとき、返ってきたのは「監視されてるみたいで嫌」でした。知恵袋にも、日中ひとりで過ごす母のためにカメラを付けたいけれど、正直に話すと同じように言われそうで切り出せない、という相談が並んでいます(Yahoo!知恵袋)。黙ってたんすの上に置いたら意外と何も聞かれなかった、という人もいました。
でも、あとから「見張られてるようだ」と感じて親が電源を抜いてしまえば、見守りは成立しません。だから、最初にひと言だけでも話しておく。この順番は飛ばさないほうがいいと私は思っています。切り出し方に悩むなら、「見守りを親に切り出す方法」を先に読んでおくと気が楽になります。
Wi-Fiがない実家に置ける見守りカメラ3選
実家にネット回線がないなら、カメラ側にSIMが入っていて携帯回線でつながるタイプを選びます。コンセントに挿すだけで、光回線の工事もWi-Fiの設定もいりません。帰省した半日で設置を終えたい人には、これがいちばん現実的です。
一つだけ割り切りが要ります。SIM回線は映像を送り続けると通信量がふくらむので、「一日中つなぎっぱなしで細かく見張る」使い方には向きません。「朝ちゃんと起きたか」「日中に動きがあるか」を確かめる、安否確認の道具と考えるとちょうどよく収まります。
| 製品 | 月額・費用の目安 | 会話 | 動体検知 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| みまもりCUBE | 月5,390円〜+初期3,850円 | ○ | ○(+1,100円/月) | 30日試してから決めたい/介護保険を使いたい |
| ユーコとヨーコ | 月4,950円〜(10GB)・初期0円 | ○ | × | 会話が中心。まず初期費用ゼロで始めたい |
| カシムラ KJ-211 | 本体約10,600円の買い切り+通信は都度 | ○ | ○(自動追尾) | 月額を固定で払いたくない |
みまもりCUBE|30日試してから決められる
ラムロックという会社のSIM内蔵カメラで、介護施設でも使われてきた定番です。いちばんの強みは、30日のお試しがあること。SIM内蔵型は実家に電波が届くか挿してみるまで分からないので、合わなければ返せる前提で始められるのは、遠方の見守りだと心強いです。
回線はドコモ固定なので、ドコモが入りにくい地域だとそこは要確認。それでも、要介護認定を受けている親なら介護保険(福祉用具貸与)の対象で、月5,390円〜の負担を下げる手が残されています。料金の内訳や口コミ、介護保険の使い方は「みまもりCUBEの口コミ・評判」に正直に書きました。本気で候補にするなら、そちらもどうぞ。
ユーコとヨーコ|会話に振り切った一台
トリニティという会社のSIM内蔵カメラで、SIM入りルーターとカメラがセットになっています。初期費用0円で始められるのが入り口のやさしさです。
名前のとおり性格は「会話」で、「ご飯食べた?」とテレビ電話の延長のように声をかける使い方に向いています。電話だと身構えてしまう親でも、カメラ越しだと自然に話せることがあるそうです。ただし動体検知はなく、契約は2年から。「倒れていたら通知してほしい」という異常検知が目的だと、ここは物足りません。使用感は「ユーコとヨーコの評判・口コミ」にまとめています。
カシムラ KJ-211|月額を固定で払いたくないなら
レンタルの月額が気になる人向けの、買い切りタイプ。本体を約1万円で買って、通信は使う分だけ都度チャージします。ドコモ・au・ソフトバンクから電波の良い回線を自動で選ぶので、実家がどのキャリアに強いか分からなくても置きやすいのが利点です。動く人を追いかける自動追尾も付いています。
3台のなかでは少し玄人向けで、通信費を自分で管理する前提になります。それでも「毎月の固定費は増やしたくない」なら候補です。他のSIM内蔵型と横並びで比べたいなら、「SIM内蔵見守りカメラの選び方」へどうぞ。
Wi-Fiがある実家向けの買い切りカメラ3選
実家にWi-Fiがあるなら、話はぐっと楽になります。本体を買ってつなぐだけ、月額はかかりません。値段も数千円で、SIM内蔵型のように毎月払い続ける必要がない。工事不要で棚に置くだけなので、賃貸でも穴を開けずに始められます。
| 製品 | 本体価格の目安 | 月額 | 会話 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| SwitchBot 見守りカメラ | 約3,500円 | 0円 | ○ | 首振りで部屋を広く見たい/将来センサーも足したい |
| TP-Link Tapo C200 | 約4,000円 | 0円 | ○ | 迷ったらの定番。基本機能をひと通り |
| ATOM Cam 2 | 約2,500円 | 0円 | ○ | とにかく安く、まず試したい |
SwitchBot 見守りカメラ|あとで見守りを広げたい人に
首振り(パン・チルト)で部屋を広く見渡せて、夜間も映ります。魅力は本体だけの話にとどまりません。SwitchBotは人感センサーや開閉センサーも出しているので、「まずカメラ、様子を見てセンサーも」と少しずつ足していけるんですね。親がカメラを渋ったときに、映像なしのセンサーへ切り替えやすいのも安心材料です。「SwitchBotで離れた親を見守る方法」も参考にしてください。
TP-Link Tapo C200|迷ったらの定番
見守りカメラを調べると、たいてい名前が挙がる一台です。首振り・夜間撮影・動体検知と、必要なものがひと通りそろって約4,000円。奇をてらわず、まず堅いものを1台、という人に向きます。海外メーカーですが利用者が多く、設定の情報もネットに豊富なので、つまずいても調べやすいのは助かるところです。
ATOM Cam 2|まず一台、安く試す
約2,500円という価格が最大の特徴です。会話も夜間撮影もできて、この値段。「いきなり本命を買うのは不安。まず見守りカメラってどんなものか触ってみたい」という入り口にちょうどいい一台です。ここから始めて、物足りなければ買い替える、という進め方もありだと思います。
この3台の設置のコツ(賃貸で穴を開けずに置く方法)や、もう少し細かい比較は「工事不要の見守りカメラ」にまとめました。
選ぶときに、私が見た順番
機能表を端から埋めていくと、どれも良く見えて逆に決められません。私が実際にチェックした順番で、外さなかったものだけ挙げます。
まず双方向通話。カメラ越しに、こちらから声をかけられる機能です。転んで動けないときに様子を確かめて呼びかけられる、という一点で、これは外しませんでした。
次に動体検知の通知。一日中スマホをにらんでいるわけにはいきませんよね。「動きがあったときだけ知らせて」に設定しておくと、生活を邪魔されずに済みます。最近は人だけを見分けて、カーテンの揺れやペットでは鳴らないタイプも増えているそうです。
そして夜間撮影(ナイトビジョン)。体調の異変は夜に起きがちなので、暗い部屋でも映るかどうかは見ておきたいところ。ここまでが「あると安心」の本線です。
残りの広角レンズ(部屋全体が映るか)とプライバシーモード(親が見られたくないときに止められるか)は、気になった機種のページで確認すれば十分。どれを優先するかは、「見守りカメラの選び方ガイド」で条件別に整理しています。
「親がカメラを嫌がるかも」と思ったら
ここまで製品を並べてきましたが、いちばんの壁は値段でも機能でもなく、親がカメラそのものを受け入れてくれるか、だったりします。
私も、最初に母へ話したときはあっさり断られました。専門家の取材でも、親世代は「監視されている」という抵抗が強く、その緊張から親がリビングに行かなくなってしまった事例まで紹介されていました(Web eclat)。カメラは「映像で見られる」ぶん、この抵抗がとくに出やすいんですね。
じゃあ諦めるしかないかというと、そんなことはありません。逃げ道は二つあります。
一つは、プライバシーモードのあるカメラを選ぶこと。 親自身が「今は見られたくない」というときにレンズを閉じたり録画を止めたりできれば、抵抗はやわらぎます。伝え方の工夫は「プライバシーに配慮した見守り」に書きました。
もう一つは、そもそも映像を撮らないセンサー型に切り替えること。 「玄関のドアが開いたら通知」「一定時間動きがなければ通知」といった形なら、見張られている感じがしません。知恵袋でも、92歳で認知症が出始めた祖母の見守りに、本人が操作しなくていい開閉センサーが勧められていました(Yahoo!知恵袋)。うちも最終的には、この映像なしの見守りに落ち着きました。
カメラとセンサーで迷うなら「見守りカメラとセンサーどっちがいい?」、センサー単体での始め方は「人感センサーで高齢者を見守る方法」。そもそも断られたときの向き合い方は「見守りカメラを親が嫌がるときの対処法」にまとめています。
まとめ:実家の状況に合わせて、一台決める
見守りカメラは、Wi-Fiのある・なしで選ぶものが変わります。最後に、次の一歩だけ置いておきます。
- 実家にWi-Fiがない:みまもりCUBE/ユーコとヨーコ/カシムラ KJ-211から。まず試すなら、30日のお試しと介護保険が使えるみまもりCUBEが選びやすいです
- 実家にWi-Fiがある:SwitchBot/Tapo C200/ATOM Cam 2から。月額ゼロ、数千円で始められます
- 親がカメラを嫌がる:無理に押し込まず、プライバシーモード付きか、映像なしのセンサー型へ
スペックの優劣より、「実家の回線」と「親の気持ち」の二つに合うかどうか。ここで選ぶと、たいてい外しません。
導入して何日か経つと、たとえば夜、お風呂上がりに麦茶を飲みながらスマホをのぞいたら「さっきリビングで動きがあったな」と分かる、みたいなことが自然になります。特別な操作をするわけでもなく、ふとした合間に「今日も動いてる」と確かめられる。その積み重ねで、心配の総量がじわっと減っていきます。
どれにするか決めきれないときは、まず「実家にWi-Fiがあるか」だけ、次の帰省のときに確かめてみてください。そこが決まれば、候補は半分に絞れます。