Wi-Fi不要の見守りカメラの選び方|実家にネット環境がなくても大丈夫

Wi-Fi不要で使える見守りカメラのイメージ。スマホで離れた親を見守る様子

離れて暮らす親が心配になって見守りカメラを調べはじめて、「そういえば実家、Wi-Fiないな」と手が止まった。この記事は、そこでつまずいた方に向けて書いています。

私も同じところで止まりました。3年前に父が亡くなってから、実家では母が一人で暮らしています。父がいた頃のネット契約はとっくに解約していて、いざカメラをと思ったときに「これ、Wi-Fiがないと動かないやつなんじゃ……」と諦めかけたんです。

先に結論だけ言うと、Wi-Fiがなくても親の見守りは始められます。ただ、いきなり「Wi-Fiなし 見守りカメラ」で製品を探しにいくと、たいてい迷子になります。実際、「Wi-Fiなしで置ける見守りカメラを探している」と相談した人が、回答者から「それは『Wi-Fiなし』ではなく『固定回線がない』という意味では?」と問い直されている場面を見かけました(Yahoo!知恵袋)。カメラの映像はデータ量が大きいので、「ネットにどうつなぐか」を曖昧にしたまま製品名だけ追いかけると、あとで「思っていたのと違う」になりやすいんですね。

なので、この記事は製品ランキングというより「地図」です。Wi-Fiがない実家で親を見守るには、大きく3つの道があります。まずそこから見ていきます。

Wi-Fiがない実家で親を見守る3つの道

ややこしいのは、「Wi-Fi不要」と書かれて売られている機器でも、中の仕組みがまるで違うことです。ここを取り違えると、せっかく買っても使い方が合いません。分かれ目は「誰が」「どこから」見たいか。この一点です。

こう見守りたい 向いている道
外出先から、自分のスマホで様子を見たい ① SIM内蔵型カメラ
同じ家か、すぐ近くで、モニターに映れば十分 ② モニター付き型カメラ
映像じゃなくていい。動いてるのが分かれば安心 ③ カメラを立てない見守り

自分がどの行にいるか、頭の隅に置きながら読んでみてください。

外出先からスマホで見たいなら、SIM内蔵型カメラ

離れて暮らす親を、勤め先や自宅から見たい。多くの人はこれだと思います。その場合はSIM内蔵型カメラ一択です。

仕組みはスマホと同じで、カメラ本体にSIMカードが入っていて、携帯回線(4G/5G)で自分からネットにつながります。実家のWi-Fiはいりません。コンセントに挿すだけで、あとは自分のスマホアプリから映像を見られます。

たとえば午前の会議がひと段落してスマホをのぞくと、「10時すぎ、台所で動きあり」と記録が残っている。ああ、母はお茶でも淹れているんだな、と分かる。それだけで、次の仕事にすっと移れます。帰省しなくても、一日に一度そういう瞬間を持てるのが、このタイプの一番のありがたさです。

代わりに月額料金がかかること、そして電波と通信量に少しクセがあること。ここは選ぶ前に知っておいたほうがいいので、あとの章でまとめます。製品を横並びで細かく比べたい方は、SIM内蔵見守りカメラの選び方に機種ごとの比較を寄せているので、そちらもどうぞ。

同じ家か近くで見るだけなら、モニター付き型カメラ

もう一つは、カメラと専用モニターがセットになっているタイプです。カメラとモニターが2.4GHzの無線で直接つながるので、Wi-Fiもインターネットも本当に一切いりません。電源を入れれば映ります。買い切りなので月額もかかりません。

ただし、これは外出先からは見られません。映像が届くのは、同じ家の中か、無線が届くごく近い範囲だけです。

だから正直に言うと、離れて暮らす親の見守りには基本的に向きません。向いているのは、親と同居していて別室の様子を見たい人や、訪問介護のときに隣の部屋から確認したい、といった「近くにいる」場面です。実家が新幹線で2時間半、みたいな距離の見守りでこれを選ぶと、まず後悔します。

そもそもカメラじゃなくていいなら

ここで一度、「カメラありき」を外してみます。というのも、見守りは映像がなくても成り立つからです。

80代後半の親にどんな見守りをしているか、という相談で、いちばん役に立ったのは弁当宅配の安否確認と毎晩8時の定時電話だった、という回答を見たことがあります(Yahoo!知恵袋)。弁当を受け取れないと業者から電話が来る、という仕組みだけで安否確認になる。機器ゼロでも成立する見守りは、ちゃんとあるんです。

「カメラは立てたくないけど、生活の様子はさりげなく知りたい」という声もよく見ます(Yahoo!知恵袋)。その気持ちなら、映像で見張るより、人感センサーで「動いた/動いていない」だけを受け取るほうが、親も自分も気楽かもしれません。うちも結局、母がカメラを嫌がったのでこの方向に切り替えました。この道については記事の後半でもう一度触れます。

SIM内蔵型を選ぶなら、電波と通信量だけは先に確認

①のSIM内蔵型に進む前に、Wi-Fiがない実家ならではの落とし穴が2つあります。電波と通信量です。ここだけ押さえておけば、大きな失敗はしません。

電波は、携帯回線を使う以上どうしても現地次第です。実家がその回線の電波が弱い地域だと、映像が固まったり途切れたりします。しかもカメラの映像は通信量が大きいので、「Wi-Fiなしでカメラ」は思っているより制約が多い。別のカメラをオフラインで使えるか尋ねた人が、「動体検知の録画はできるが24時間の常時録画は無理」「Wi-Fiを探し続けて電池を消耗する」と条件を並べられていた事例もありました(Yahoo!知恵袋)。だからこそ、あとで書くお試し期間つきの製品が安全なんです。挿してみるまで、実家の電波は誰にも分かりませんから。

通信量は、どれくらいの頻度で見るかで必要な量が変わります。ざっくりの目安はこのくらいです。

こんな見方 目安の通信量
1日10分くらい、様子をのぞく程度 1GB/月
1日30分〜1時間、しっかり見たい 10GB/月
ほぼつなぎっぱなしにしたい 30GB以上/月

月額の相場は5,000円台。ここで「月額がかかるなら、結局高くつくのでは?」と思いますよね。私もそこが引っかかりました。みまもりCUBEだと月5,390円〜で、年にすると約6.5万円。ただ、要介護認定を受けている親なら介護保険が使える製品があって、負担額は事業所によるものの、公式には実質3,000円前後まで下がる例が案内されています。ケアマネージャーさんに相談する価値はあります。

代表的な製品はこの2つ(詳しくは各記事で)

「で、結局どれ?」という方に、Wi-Fiなしで定番の2機種を並べておきます。細かいレビューはそれぞれの記事に譲るので、ここは早見表で当たりをつけてください。

製品 月額 初期費用 会話 検知 お試し 介護保険
みまもりCUBE 5,390円〜 3,850円 ○ ○(オプション) 30日 ○
ユーコとヨーコ 4,500円〜(税別) 0円 ○ × × ×

最初の1台に選びやすいのは、みまもりCUBEのほうです。理由は、30日のお試しがあることと、介護保険が使えること。前に書いたとおり、実家の電波は挿してみるまで分からないので、お試しで確かめてから本契約できるのは大きい。ただしドコモ回線なので、実家がドコモの入りにくい地域だと不安定になり得ます。中身の口コミはみまもりCUBEの口コミ・評判に正直に書きました。

ユーコとヨーコは、会話に振り切ったシンプルな一台です。初期費用0円で始められる代わりに、動体検知はなく、契約は2年以上。「異常を通知してほしい」という使い方には向きません。詳しくはユーコとヨーコの口コミ・評判にまとめています。

この2つ以外も含めてSIM内蔵型を横並びで比べたいなら、SIM内蔵見守りカメラの選び方へどうぞ。

親が「カメラは嫌」と言ったら

ここまでカメラの話をしてきましたが、そもそも親がカメラを嫌がることは、めずらしくありません。

うちもそうでした。母にカメラの話を切り出したとき、返ってきたのは「そこまでしなくていい」。無理に押し切らなくてよかった、と今は思っています。「監視されているようで嫌」という気持ちは、たんすの中に黙って設置してしまおうか迷う人がいるくらい、根が深いものだからです(Yahoo!知恵袋)。

カメラを嫌がる親に押し付けても、たいていうまくいきません。そんなときの逃げ道が、映像を撮らない人感センサー型の見守りです。「玄関のドアが開いたら通知」「一定時間トイレのドアが動かなかったら通知」といった形なら、映像で見張られる感じがしないぶん、親も受け入れやすいんですね。うちの母も、これなら文句を言いませんでした。

詳しくはこのあたりの記事に書いています。

まとめ|Wi-Fiがなくても、今日踏める一歩はある

「実家にWi-Fiがないから無理」と閉じる前に、この記事の地図をもう一度たどってみてください。

  • 外出先からスマホで見たいなら、SIM内蔵型カメラ。ただし電波は現地で確かめる
  • 同じ家か近くで見るだけなら、モニター付き型カメラ。買い切りで月額なし
  • 親がカメラを嫌がるなら、映像を撮らないセンサー型という逃げ道がある

まず選ぶべきは製品じゃなくて、この3つの道のどれを歩くか、です。それさえ決まれば、あとは早見表とお試しで詰めていけます。

今日できるいちばん小さな一歩は、実家がどの携帯回線の電波が入るか、次の帰省か電話のついでに確かめておくこと。それだけで、SIM内蔵型に進むかどうかの判断がぐっと楽になります。