高齢者見守りサービスを徹底比較|6タイプ別の特徴と選び方

高齢者見守りサービス6タイプの比較イメージ

セコム、ALSOK、見守りカメラ、人感センサー、ポット、電球。離れて暮らす親の見守りを調べ始めると、選択肢が次から次に出てきて、調べるほど決められなくなりますよね。

知恵袋にも、まさにこの状態の人がいました。80代後半の親に何か備えたいけれど、手段が多すぎて何から入れればいいのかわからない、という相談です。ベストアンサーは意外にも「弁当宅配の安否確認(受け取れないと電話が来る)と、毎晩8時の定時電話が役に立った」というものでした(Yahoo!知恵袋)。機械をひとつも置かなくても、見守りは成り立つ。この視点は、最後まで頭の隅に置いておいてください。

私も母(75歳・一人暮らし)の見守りを考え始めたとき、同じように迷いました。最初に見守りカメラを提案して母に嫌がられ、そこからセンサーやEcho Showを試して、今の形に落ち着くまで数ヶ月かかっています。

この記事では、見守りサービスを6タイプに整理します。全部を覚える必要はありません。「うちの親と、うちの事情には、どのタイプが合いそうか」。その見当がつけば、それでこの記事の役目は果たせます。

見守りサービスは大きく6タイプに分けられる

こまかい商品名の前に、まず地図を渡します。世の中の見守りサービスは、ざっくり次の6つに分けられます。

タイプ やってくれること 月額の目安 向く事情
駆けつけ型 緊急時にガードマンが自宅へ 約2,000〜6,000円 近くに頼れる人がいない
センサー型 生活リズムの「いつもと違う」を通知 0〜3,000円 まず手軽に、費用を抑えて
カメラ型 映像で今の様子を確認 Wi-Fi型0円〜/SIM型5,000円台 顔を見て確かめたい
電話・アプリ型 決まった時間に安否を確認 0〜1,500円 最低限の生存確認でいい
訪問型 人が家に来て対面で確認 1,000〜2,500円 交流も兼ねたい
家電連動型 ポット・電球の使用を通知 500〜3,500円 親に意識させず自然に

タイプごとに、誰のどんな困りごとに効くのかを見ていきます。

タイプ1|駆けつけ型(警備会社)

セコムやALSOKの、警備会社による見守りです。玄関などに置いた緊急ボタンやペンダントを押すと、24時間365日、ガードマンが家まで来てくれます。

このタイプの本当の価値は、「私は駆けつけられない」を人に肩代わりしてもらえることです。新幹線で2時間半の私が真夜中に母のもとへ行くのは無理ですが、地域の拠点からなら数十分で着く。そこにお金を払う、という考え方です。

ひとつ気をつけたいのは、緊急ボタンは「本人が押せる」ことが前提だという点。脳梗塞を繰り返したお父さんにスマートウォッチを検討していた人が、回答者から「緊急連絡をお父様が自分でできるかどうかが心配」と諭されていた事例がありました(Yahoo!知恵袋)。とっさに握れる状態か。ここは正直に見積もっておいたほうがいいです。

タイプ2|センサー型

人感センサーや開閉センサーを部屋やドアに置いて、動きや開け閉めから生活リズムを読む方法です。カメラと違って姿は映りません。

たとえば冷蔵庫に開閉センサーを付けておけば、「今日はまだ一度も開いていない」がスマホでわかる。朝トイレのドアが動けば「起きて動いている」とわかる。映像で顔を見るわけではないけれど、暮らしの気配は十分伝わってきます。

うちが最終的に選んだのも、このタイプでした。母がカメラを拒んだこと、そして月額のかからない買い切りで始められることが決め手です。ただし「センサー単体を置けば通知が来る」わけではなく、SwitchBotなら通知を受け取るのにハブが要ります。実際に運用する構成だと、7,000円ほどの一度きりの出費になります。

タイプ3|カメラ型

見守りカメラを置いて、スマホから映像を見る方法です。「今どうしているか」を自分の目で確かめられる安心感は、他のタイプにはないものです。

ここで多くの人がつまずくのがWi-Fiです。「実家、Wi-Fiないんだけど」と思いますよね。SIM内蔵のカメラなら回線工事なしで使えますが、その代わり月5,000円台の通信費が乗ります。逆に、実家にネットさえあればTapoのような数千円のカメラを置くだけで、月額0円で映像が見られます。

そしてもう一つ、映像はいちばんプライバシーに踏み込みます。親が「監視されてるみたい」と感じやすいのもこのタイプ。顔が見たい気持ちと、親の受け入れやすさを天秤にかける必要があります。

タイプ4|電話・アプリ型

決まった時間に自動音声で電話がかかってきて、親が応答すると「元気です」の通知が届く。あるいはアプリのボタンを押して安否を知らせる。そういう最低限の生存確認の仕組みです。

置くものが少なく、費用も月1,000円前後と軽いのが持ち味です。ただし弱点もはっきりしていて、親が応答を忘れると成立しません。「LINEのスタンプを送ってもらう約束にしたけど、親が忘れて機能しなかった」という声は実際にあります。親が能動的に動く前提のものは、その一手間が続くかどうかで決まります。

タイプ5|訪問型

郵便局員などが定期的に家を訪ね、様子を確認して報告してくれるサービスです。郵便局の「みまもり訪問サービス」なら、月1回・30分ほどの訪問で月額2,500円。

機械が一切いらないので、「カメラもセンサーも嫌」という親でも受け入れやすいのが最大の利点です。人が来て話し相手になることで、見守りというより交流として成立する。一方で、月1回では「昨日から動いていない」といった急な異変には気づけません。日々の安否確認というより、月に一度の定点観測と割り切るタイプです。

タイプ6|家電連動型

ポットや電球など、毎日どのみち使うものに見守りを仕込む方法です。親は特別な操作をしません。いつもどおりお茶を淹れ、いつもどおり電気を点けるだけ。それが通知に変わります。

象印の「みまもりほっとライン」は、電気ポットを使うと1日2回メールが届く仕組み。電球型のハローライトは、24時間つけっぱなし・消しっぱなしが続くと異常として知らせます。「見守られている」と親に意識させたくない人、ボタン操作が難しくなってきた親に向いています。カメラを立てずに生活を知りたい、という発想の受け皿です。

【比較表】6タイプの費用・特徴を一覧で確認

判断に使えるように、費用以外の軸も並べておきます。

タイプ 月額 駆けつけ 姿が映るか 親の操作 Wi-Fi
駆けつけ型 約2,000〜6,000円 ◎あり 映らない ボタンを押す 不要
センサー型 0〜3,000円 なし 映らない 不要 機種による
カメラ型 0円〜5,000円台 なし 映る 不要 機種による
電話・アプリ型 0〜1,500円 なし 映らない 応答が必要 機種による
訪問型 1,000〜2,500円 なし (人が来る) 不要 不要
家電連動型 500〜3,500円 なし 映らない 不要 機種による

この表を眺めると、つい「月額の一番安い列」に目が行きます。でも、そこだけで決めると後悔しやすいところでもあります。

たとえば月0円のセンサー型を選んでも、いざ異変を検知したとき、駆けつけられる人が誰もいなければ通知は宙に浮きます。逆に、自分が車で30分の距離に住んでいるなら、センサーで気づいて自分が向かう形で十分まわり、駆けつけ型の月数千円は要らないかもしれません。

決め手は費用の絶対額ではなく、「親の状況」×「自分が動ける範囲」の掛け算です。ここが定まると、選ぶべき列がぐっと絞れます。

【チェックリスト】あなたの親に合うタイプはどれ?

「結局、うちの親にはどれ?」に答えを出すために、5つの角度から自分の状況をチェックしてみてください。

判断軸1|緊急時に、誰が駆けつける?

親が一人暮らしで近くに頼れる人がおらず、自分も駆けつけるのに2時間以上かかる。持病があって急変が心配。こういう条件がそろうなら、駆けつけ型(セコム・ALSOK)の月数千円は、保険として意味があります。

逆に、車で30分〜1時間で行ける距離だったり、近くに兄弟や親戚がいるなら、センサー型・カメラ型で異変を察知して、自分たちが向かう形で足ります。ここで駆けつけ型を外せると、費用はぐっと下がります。

判断軸2|月額、いくらまで続けられる?

一度きりの出費より、毎月の固定費のほうが効いてきます。続けられる金額から逆算すると、タイプが絞れます。

続けられる月額 候補
5,000円前後まで 駆けつけ型(セコム)、SIM内蔵カメラ
3,000円くらい 駆けつけ型(ALSOK)、訪問型、象印ポット
1,000円以下 au見守りプラグ、ハローライト、電話型
できれば0円 SwitchBot(機器代のみ)、Wi-Fiカメラ+microSD

判断軸3|親は、どこまで受け入れてくれる?

正直、ここが一番の関門です。どんなに良いサービスも、親が拒めば置けません。

  • カメラに抵抗がない → カメラ型
  • カメラは嫌だがセンサーならOK → センサー型
  • 「何も付けたくない」 → 家電連動型(ポット・電球)・訪問型

「センサーやカメラはプライバシーが嫌」という親は、決して珍しくありません。知恵袋にも、そういう親のために「温かく面倒見の良いサービスはないか」と探している相談が上がっていました(Yahoo!知恵袋)。こういう親には、機械の存在感が薄いものから入るのが定石です。伝え方のコツは後の章と、専用の記事にまとめています。

判断軸4|実家にWi-Fiはある?

「Wi-Fiなしのカメラを探しています」と相談した人が、回答者から「それは『Wi-Fi無し』ではなく『固定回線無し』では?」と問い直されている場面がありました(Yahoo!知恵袋)。実家のネット環境は、案外あいまいなまま話が進みがちです。まずここをはっきりさせましょう。

Wi-Fiがあるなら、SwitchBotやTapoなど安くて高機能な選択肢が一気に開けます。ないなら、SIM内蔵カメラ・駆けつけ型・au見守りプラグ・電話型・家電連動型・訪問型が候補。ちなみにSIM内蔵カメラは通信費が高めなので、「モバイルWi-Fiルーター+格安SIM+普通のカメラ」を自分で組んだほうが安上がり、という指摘もあります(Yahoo!知恵袋)。手を動かせるなら、こちらも一案です。

判断軸5|認知症の兆候はある?

ボタンを押す・応答するといった操作は、認知症が進むと難しくなります。だからこそ「操作がいらない」ことが選定の軸になります。認知症の祖母にどんな見守りをと悩む相談でも、トイレや冷蔵庫など必ず開け閉めする場所にセンサーを付け、数時間動きがなければ異常として知らせる仕組みが勧められていました(Yahoo!知恵袋)。

こうした操作不要なタイプ、つまりセンサー型・カメラ型・家電連動型が向きます。逆に、まだしっかりしている親なら、ボタン式の駆けつけ型も無理なく使えます。

参考までに、我が家の答え合わせ

  • 母は一人暮らし(75歳)、私は新幹線で2時間半
  • 最初にカメラを提案して断られ、SwitchBotのセンサー+Echo Showに落ち着いた
  • 「駆けつけ」は諦めて、いざというときは近所に住む叔母に連絡が行く体制にした

水曜の夕方、残業を切り上げてエレベーターを待ちながらスマホを見ると、「17:40 台所で動きを検知」。ああ、夕飯の支度を始めたな、と思う。それだけで、その日はもう安心して帰れます。駆けつけまではカバーできていない、穴のある見守りです。それでも母も私も納得できているので、我が家はこれで十分だと思っています。

親が見守りを嫌がるときはどうする?

サービスを決めても、親が「いらない」と言えば話は進みません。そして見守りを嫌がる親は、本当に多い。理由をほどくと、だいたいこの4つのどれかです。

  1. 「監視されてるみたい」 … プライバシーへの抵抗
  2. 「まだそんな歳じゃない」 … 老いを認めたくない
  3. 「子どもに迷惑をかけたくない」 … 親心からの遠慮
  4. 「機械は苦手」 … 使いこなせない不安

ここでやりがちなのが、「お母さんが心配だから」「何かあったら困るから」という言い方です。良かれと思って言うのですが、受け取る側は「自分が弱ったと思われている」と感じてしまう。老いを認めたくない親には、逆効果になりがちです。

私が母に効いたのは、主語を「私」に変えることでした。「お母さんに何かあったら、私が不安で仕事が手につかない。だから私が安心するために付けさせて」。守ってあげるのではなく、私を安心させて、とお願いする。親のプライドを立てたまま話を進められます。

それでも渋られたら、無理に押し切らないことです。「資料だけ一緒に見てみない?」と並んで検討する。家電連動型のように存在感の薄いものから始める。訪問型を人との交流として受け入れてもらう。入り口はいくつもあります。くわしくは見守りカメラを親が嫌がる理由と対処法に書きました。

よくある質問

Q. 一番安いサービスはどれ?

実家にWi-Fiがあるなら、SwitchBot人感センサーが機器代3,000円前後・月額0円で最安クラスです。ただし異変を検知しても駆けつけはないので、自分が動ける前提が要ります。Wi-Fiなしならau かんたん見守りプラグ(月539円)が手軽です。

もう一つ、機器を買う前に確かめてほしいのが公的サービス。お金をかけられない中で母の安否を確認したい人が、回答者から「まず地域包括支援センターに相談を。自治体によっては緊急通報装置を無料でレンタルできる」と勧められていた事例があります(Yahoo!知恵袋)。買う前に、住んでいる自治体の窓口をのぞく価値は十分あります。

Q. Wi-Fiがなくても使えるサービスは?

次のものはWi-Fiなしで使えます。

  • 駆けつけ型(セコム・ALSOK)
  • SIM内蔵カメラ(みまもりCUBE)
  • au かんたん見守りプラグ
  • 象印みまもりほっとライン(ポット型)
  • ハローライト(電球型)
  • 郵便局みまもり訪問サービス

Q. 認知症の親に向いているサービスは?

ボタンを押す・応答するがいらない操作不要なタイプ、つまりセンサー型・カメラ型・家電連動型が向きます。駆けつけ型はボタン操作が前提なので、認知症が進むと通報自体が難しくなる可能性があります。契約前に「本人が押せるか」を必ず確かめてください。

Q. 複数を組み合わせてもいい?

むしろ、組み合わせが現実的です。 一つで全部をまかなえるサービスは、あまりありません。

我が家もセンサー+Echo Showの二本立てです。「普段はセンサーで見て、気になったらカメラで確かめる」「日々はセンサー、緊急時は警備会社」といった具合に、役割を分けると穴が埋まります。予算と親の受け入れ度に合わせて、足し算していけばいい。最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。

まとめ|まず、親の状況を一枚の紙に書き出す

6タイプを見てきましたが、覚えて帰ってほしいのは一つだけです。「正解」は親の事情と自分の事情で変わるということ。

冒頭の知恵袋のように、機械をひとつも置かず、弁当宅配と定時電話だけで見守れている家もあります。月5,000円の駆けつけ型が正解の家もあれば、3,000円のセンサーで十分な家もある。安いから、高機能だから、で決まる話ではないんですね。

だから、次の一歩はサービスを選ぶことではありません。紙を一枚用意して、こう書き出してみてください。

  • 親は今、何ができて、何が不安か(健康・認知症・Wi-Fi環境)
  • 自分は、いざというとき何分で動けるか。近くに頼れる人はいるか
  • 毎月いくらまでなら、無理なく続けられるか

この3行が埋まれば、5つの判断軸に当てはめるだけで、候補は2〜3タイプまで絞れます。あとは個別記事で細部を詰めて、親御さんと並んで決める。焦らなくて大丈夫です。親が納得して使ってくれることが、どのサービスを選ぶかよりずっと大事ですから。