実家の母と電話がつながらない日が続くと、「まさか倒れているんじゃ」と、つい悪いほうへ想像がふくらみますよね。
私も、母が75歳で一人暮らしを始めてから、この不安とずっと付き合ってきました。最初に思いついたのは見守りカメラです。でも母に提案したら「監視されてるみたいで嫌」の一言で終わり。困っていたときに見つけたのが、映像を一切撮らない人感センサーでした。
今は、母がトイレに立った朝いちばんの動きが、通知としてスマホに届きます。「7:08 動きを検知」。この短い一行を見るだけで、その日を落ち着いて過ごせる。大げさに聞こえるかもしれませんが、離れて暮らす娘にとっては、これがかなり大きいんです。
置き場所の決め方、「30分制限」という引っかかりどころ、帰省したときにすませる設定。私が実際にやってみた順に書いていきます。SwitchBotでの見守り全般はSwitchBotで親を見守る方法にまとめました。ここでは「安否確認」に的をしぼります。
SwitchBot人感センサーで安否確認ができる仕組み
映像がないのに、どうやって「無事」がわかるのか。仕組みは拍子抜けするほど単純です。人感センサーがやってくれるのは、「その場所で人が動いたかどうか」を拾って、スマホに知らせることだけ。母が朝トイレに立てば動きが記録され、私のスマホに通知が飛ぶ。それだけです。
何をしていたか、どんな服装だったか、部屋が散らかっているかどうかは、いっさいわかりません。だからこそ、母は「見られている」と感じずにすみます。カメラは立てたくないけれど生活の様子はさりげなく知りたい、という人は多いですが、映像がなくても、生活のリズムは思ったより読めるものです。
カメラとセンサーの違い
見守りカメラと人感センサーは、そもそも「わかること」が違います。
| 項目 | 見守りカメラ | 人感センサー |
|---|---|---|
| わかること | 映像で「今何をしているか」 | 動きがあったかどうか |
| 映像 | あり(録画も可能) | なし |
| 親の負担 | 「見られている」意識 | ほぼ意識しない |
| プライバシー | 気になる人が多い | 守られる |
カメラは映像で「今どうしているか」まで見えるぶん、母のように「監視されてるみたい」と身構える人が出てきます。センサーはわかる情報がぐっと減るかわりに、そのぶん親のほうが受け入れやすい。我が家がセンサーに落ち着いたのは、この一点が大きかったです。
カメラとセンサーのどちらが向くかは、親御さんの性格や部屋の事情でも変わります。見守りカメラとセンサー、どっちがいい?で、選び分けの目安を整理しました。
必要な機器(人感センサー+ハブミニ)
安否確認に最低限そろえるのは、次の2つです。
1. SwitchBot人感センサー
赤外線で人の動きを拾う、手のひらに乗る小さなセンサーです。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 検出距離 | 最大9m |
| 検知角度 | 水平110°/ 垂直55° |
| 電源 | 単4電池×2(約3年持続) |
| 設置方法 | 卓上、壁掛け、マグネット |
| 価格 | Amazonで2,000円前後(公式定価は2,980円) |
単4電池2本で約3年動くので、いちど置けば電池のことはしばらく忘れていられます。帰省のたびに何か世話をする、という手間もありません。
2. SwitchBotハブミニ
センサーが拾った動きを、実家のWi-Fi経由で私のスマホまで届けてくれる中継役です。これがないと、外出先で通知を受け取れません。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 役割 | センサーとスマホの中継 |
| 接続 | Wi-Fi(2.4GHz) |
| 価格 | 5,000円前後(公式定価は5,480円) |
ハブミニは実家のWi-Fiにつなぎっぱなしにしておくもの。ここだけコンセントが要りますが、あとはセンサーが電池で動くので、配線に悩むことはないです。
安否確認に最適な設置場所と考え方
置き場所ひとつで、安否確認になるかどうかが決まります。コツは一つだけ。母が毎日かならず通る場所に置くことです。逆に、たまにしか通らない場所に置くと、「動きがない=異変」なのか「たまたま通っていないだけ」なのかの区別がつかなくなります。
毎日かならず通る場所を選ぶ
いちばん確実なのは、トイレの前です。朝起きて最初に向かうのはトイレ、という人がほとんどですよね。ここで動きを拾えれば、「今日も起きた」がほぼ確実にわかります。私も母の家では、廊下からトイレへ入る手前に置いています。だいたい7時から8時のあいだに通知が来るので、その時間に何もなければ「あれ?」と引っかかれます。
トイレの前が難しければ、寝室からリビングへ抜ける廊下でもいい。1日に何度も通る場所なので、動きは拾えます。キッチンの入り口も候補です。食事のしたくで必ず立つので、「ちゃんとご飯を作っているな」という確認にもなります。
逆に、置いても役に立ちにくいのが次のような場所です。
役に立ちにくい場所
- リビングのソファのそば(座ったままだと動きを拾いにくい)
- 窓ぎわ(直射日光で誤作動することがある)
- エアコンの風が直接あたるところ(温度変化を動きと勘違いすることがある)
ペットがいる場合の設置の工夫
「うちは猫がいるけど、誤作動しない?」と気になる人もいると思います。
ペットがいる家では、センサーを少し高い位置に、やや上向きに付けるのがコツです。人感センサーは検知する範囲を調整できるので、上向きにすれば、床を歩く猫は拾わず、立って歩く人だけを拾いやすくなります。
正直に言うと、これで誤作動がゼロになるわけではありません。ただ、通知の「回数」と「時間帯」を見ていれば、猫がうろうろしているのか、母が動いているのかは、だんだん見分けがつくようになります。
30分制限との付き合い方
SwitchBotの人感センサーで安否確認をしようとすると、一つ引っかかる点があります。「一定時間、動きがなかったら通知する」という設定の、その「一定時間」を最長30分までしか選べないんです。
つまり「2時間動きがなければ知らせて」という設定はできません。これは私だけがつまずいたわけではなく、SwitchBotを見守りに使っている人のレビューでも、わりと共通して挙がっている制限のようです(「31分には設定できない」と事前に注意している人もいました)。
「30分じゃ短すぎて安否確認にならないのでは」と思いますよね。私も最初はそう思いました。でも、使い方を少しずらせば、ちゃんと安否確認として成り立ちます。
センサーを2〜3個に増やす
30分制限をいちばん素直に補えるのは、置く数を増やすことです。
置き方の例
- トイレの前に1個
- キッチンの入り口に1個
- 廊下に1個
こうしておけば、どこかで必ず動きが拾えます。「トイレにも来ない、キッチンにも立たない、廊下も通らない」という状態が続けば、さすがに何かあったと気づけます。1個あたりAmazonで2,000円前後なので、2つ3つ足しても追加は数千円。カメラの月額を払い続けることを思えば、一度きりの出費でこの安心が手に入るなら、私は納得できました。
開閉センサーを足す
人感センサーと相性がいいのが、開閉センサーです。ドアや冷蔵庫の扉が開いたかどうかを拾ってくれます。
置き場所の例
- 冷蔵庫 → 食事をとっているかがわかる
- トイレのドア → トイレを使ったことをより確実に拾える
- 玄関 → 外出したかがわかる
「冷蔵庫を開けた」という通知は、人感センサーが拾う「なんとなく動いた」よりも、「その人がその場所を使った」ことをはっきり示してくれます。92歳のおばあさんの見守りを相談していた知恵袋でも、トイレや冷蔵庫など必ず開閉する場所にセンサーを付けて、数時間ずっと開閉がなければ異常として知らせる、という使い方が挙げられていました(Yahoo!知恵袋より)。
開閉センサーもAmazonで2,000円台です。人感センサーとの合わせ技で、「動いた」だけでなく「使った」まで見えるようになります。
「動いたら通知」に切り替える
いちばん効いたのは、発想をひっくり返すことでした。「動きがなかったら通知」ではなく、「動いたら通知」に設定してしまう。そうすれば、30分制限そのものが関係なくなります。
通知でわかること
- 朝7時ごろに通知が来る → 起きた
- 昼12時前後に通知 → お昼の準備
- 夜10時を最後に通知が止まる → 寝た
この並びを1〜2週間ながめていると、母の1日の「型」が頭に入ってきます。そうなれば、いつもと違う日にすっと気づける。私が今いちばん頼りにしているのは、この使い方です。
人感センサーの設定手順
設定と聞くと身構えるかもしれませんが、やることは「アプリを入れて、画面の指示に従う」だけです。私はスマホもPCも人並みにしか使えませんが、それでも詰まらずに終わりました。帰省したときにまとめてすませておくと、あとがラクです。
Step 1|ハブミニをWi-Fiにつなぐ
まず、実家のWi-Fiにハブミニをつなぎます。
- SwitchBotアプリをスマホに入れる(無料)
- アカウントを作る
- アプリの「+」から「ハブミニ」を選ぶ
- ハブミニの電源を入れる
- 画面の案内どおりにWi-Fiへ接続
注意点
ハブミニがつながるのは2.4GHz帯のWi-Fiだけ。5GHz帯だとつながらないので、接続先の名前(末尾に「-5G」などが付いていないか)を先に確認しておくと、当日あわてずにすみます。
Step 2|人感センサーを登録する
ハブミニがつながったら、人感センサーを登録します。
- 人感センサーに電池を入れる
- アプリの「+」から「人感センサー」を選ぶ
- 画面の案内どおりに登録
- ハブミニと連携させる
ここは数分で終わります。
Step 3|通知をオンにする
安否確認に使うなら、「動いたら通知」の設定にします。
- アプリで人感センサーを開く
- 「通知」をオンにする
- 「動きを検知したとき」を選ぶ
通知が多すぎるとき
最初のうちは通知が来すぎて、うるさく感じるかもしれません。私も初日は少し参りました。そのときは、時間帯をしぼるといいです。「朝6時〜9時だけ通知」にすれば、起床確認だけに使えて、日中はスマホが静かになります。
Step 4|家族と通知を分け合う
兄弟や配偶者にも同じ通知を受け取ってほしいときは、ホーム共有を使います。
- アプリの「プロフィール」→「ホームを管理」
- 「メンバーを招待」を選ぶ
- 出てきた招待リンクを家族に送る
- 家族がリンクからアプリに参加
これで、通知を一人でかかえこまずにすみます。「今日は兄が見ててくれる」と思えるだけで、気持ちがずいぶん軽くなりました。
安否確認を続けるための「異変の見つけ方」
センサーは、置いた日からすぐ役に立つわけではありません。本当に効いてくるのは、母の「いつも」を私が覚えてからです。
生活パターンをつかむ
置いてから1〜2週間は、通知をながめて母の1日の流れを頭に入れる時間だと思ってください。見るのは3つです。
見ておく3つ
- 朝、最初の通知が来る時間(だいたいの起床時間)
- 日中、どれくらいの頻度で通知が来るか
- 夜、最後の通知が来る時間(だいたいの就寝時間)
「母はだいたい7時半に起きる人だ」とわかっていれば、8時をすぎても通知がない朝に、「あれ?」と引っかかれます。この「あれ?」を持てるかどうかが、安否確認の肝です。
置いて2週間もすると、母の1日が自分の感覚に入ってきます。土曜の昼下がり、コーヒーをいれながらアプリを開くと、トイレの前とキッチン、廊下のセンサーが、その日の通知を時間順に並べてくれている。「6:52 トイレ、7:15 キッチン、12:40 またキッチン」。指でスクロールしてたどるだけで、母の午前中がなんとなく目に浮かぶ。会いに行けない週末でも、これでずいぶん距離が縮まった気がします。
「いつもと違う」に気づいたら
いつもと違う日に気づいたら、やることはシンプルで、まず電話です。
- 朝の通知がいつもより遅い → 「おはよう、今日はゆっくりだったね」
- 日中の通知が妙に少ない → 「体調どう?」
- 夜おそくまで通知が続く → 「眠れてる?」
センサーはあくまで「電話するきっかけ」をくれる道具です。異変そのものを解決してくれるわけではありません。倒れていても誰にも通知が届かない、というのが離れて暮らす家族のいちばんの怖さですが、脳梗塞を繰り返したお父さんにスマートウォッチを検討していた方が知恵袋で書いていたように、大事なのは「本人が操作しなくても、こちらが気づける」形にしておくことです。その点で、親の側が何もしなくていい人感センサーは、安否確認と相性がいいんです。
導入費用と他の見守り方法との比較
初期費用の目安
かかるお金を整理します。月額は0円。機器を買えば、あとはWi-Fiとスマホで使い続けられます。
| 構成 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| まず試す | 人感センサー1個+ハブミニ | 7,000〜8,000円 |
| しっかり | 人感センサー2個+ハブミニ | 9,000〜1万円 |
| 開閉センサーも | 人感センサー2個+開閉センサー1個+ハブミニ | 1万1千〜1万3千円 |
金額はAmazonの実売価格を目安にしています。公式の定価どおりだと、これより1〜2割ほど高くなります(人感センサーの定価は2,980円、ハブミニは5,480円)。セールのタイミングだと逆に安く買えることもあるので、買う前にいちど価格を見ておくといいです。
他の見守り方法との比較
| 方法 | 初期費用 | 月額費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| SwitchBotセンサー | 7,000円〜 | 0円 | 自分で設置、月額なし |
| 見守りカメラ | 3,000円〜 | 0円〜 | 映像で見えるが親が身構えやすい |
| セコム・ALSOK | 工事費など | 数千円〜 | 駆けつけまでしてくれる |
| 自治体の見守り | 0円〜 | 数百円〜 | 地域で内容が違う |
「まずは無事かどうかだけ、お金をかけずに知りたい」。ここに限れば、月額のかからないSwitchBotセンサーは有力です。私も、駆けつけまでは求めていなかったので、これで足りました。
ただ、順番としては機器より先に確かめておきたいことがあります。お金をあまりかけられない、という相談への知恵袋の回答で、いちばん支持されていたのは「まず地域包括支援センターに相談を」でした。自治体によっては、緊急通報装置を無料で貸してくれたり、高齢者の見守りに補助が出たりします。機器を買う前に、実家の市区町村の窓口をのぞいてみる価値はあります。ここは正直に、センサーだけが答えではありません。
よくある質問
Q: Wi-Fiがない実家でも使える?
使うにはWi-Fiが要ります。センサーの通知は、ハブミニからWi-Fi経由で届くしくみだからです。実家に光回線がなくても、工事のいらないホームルーター(ドコモhome5G、ソフトバンクエアーなど)を置けば、それで足ります。
Q: 人感センサーと人感センサーProは何が違う?
Proはミリ波レーダーを使っていて、防水(IPX5)なので洗面所などにも置けます。ただ、安否確認が目的なら通常版で足ります。私も通常版です。電池のもちは通常版のほうが長い(約3年)ので、置きっぱなしにするなら、むしろ通常版のほうが気楽ですよ。
Q: 電池はどれくらいもつ?
単4電池2本で、公式には約3年とされています。切れそうになるとアプリが知らせてくれるので、帰省のついでに替えれば間に合います。
Q: 猫や犬がいても大丈夫?
完全には防げませんが、高い位置にやや上向きで付けると、床を歩くペットは拾いにくくなります。あとは通知の頻度と時間帯を見ていれば、ペットの動きか人の動きかは、だんだん見分けられるようになります。
Q: 家族みんなで通知を受け取れる?
受け取れます。アプリの「ホーム共有」で、兄弟や親戚と同じ通知を分け合えます。「誰かが見てくれている」と思えると、一人でかかえこまずにすみます。
まとめ|まず1個、母が毎日通る場所に
ここまで置き場所や30分制限の話をしてきましたが、最初から全部そろえる必要はありません。私自身、人感センサー1個とハブミニから始めて、母の反応を見ながら少しずつ足していきました。いきなり3個買って身構えるより、まず1個をトイレの前に置いて、通知が来る暮らしに自分が慣れるほうが先です。
見守りの手段は多すぎて、どれから手をつけるか決められない。そういう相談を知恵袋でよく見かけますし、その気持ちはよくわかります。だからこそ、7,000円台で始められて月額もかからないセンサーは、「まず一歩」に向いています。合わなければやめてもいいし、公的サービスや弁当宅配の安否確認に切り替える道もあります。
朝、スマホに「動きを検知」の通知がひとつ届く。たったそれだけのことなのに、「今日も母はいつもどおりだ」とわかって、一日を落ち着いて始められます。まずはそこから試してみてください。
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